満足への果てしない旅
2021/12/18
IT 仕事Google Workspaceを用いて、電子帳簿保存法に対応する方法。
日本中の経理畑を震撼させている電子帳簿保存法。
物凄く、ざっくりいうと電子データでもらった帳簿書類は電子データで保管して、紙データでもらった帳簿書類もより電子データで保管しやすくなったよ、という内容です。
詳細は、国税庁が解説している「電子帳簿保存法関係」を参照してください。
2022年1月から実施!ということで非常にドタバタしていましたが、2年の猶予ということになりました。
Google workspaceのユーザーの皆さん、是非とも今あるサービス(Google workspace)を利用して電子帳簿保存法を乗り切りましょう!
電子帳簿保存法上の電子データの保存要件
電子ファイルで保存できるといっても、内容が詳しく定められており、スキャンしてフォルダに放り込む、だけでは適用外となってしまいます。
国税庁のページでも解説されていますが、真実性と可視性の2点の確保が必要となります。
この真実性を担保するために、ファイルごとにタイムスタンプを付与するか、修正・削除の履歴確認が出来るシステムに保存することが必要となります。
他社サービスをさらに導入して費用をかけてまでタイムスタンプ付与はあまり現実的ではないので、修正・削除の履歴がGoogle Workspaceで確認できれば最高じゃないかということで、その方法をご紹介します。
Google Workspaceを用いた履歴確認方法
共有フォルダIDの特定
Google workspaceでは、共有ドライブという概念があり、チームごとで利用可能なドライブの作成が可能です。
この共有ドライブ単位で保存をする前提で考えてみたいと思います。
特定の共有ドライブにおける履歴を確認するために、まずは該当の共有ドライブにおける共有ドライブIDを特定します。
Googleドライブで、共有ドライブを選択した際に表示されるURLで共有ドライブIDの特定が可能です。
- https://drive.google.com/drive/u/0/folders/[drive-id]?hl=ja
上記のURL構成になっていると思うので、[drive-id]の箇所が共有ドライブIDとなります。
なお、Googleドライブでは追加された、修正された履歴は確認ができますが、最新の変更された日付しか確認ができないため、履歴とは言いづらいです。
また、削除された履歴は確認ができないので、後述する管理コンソールでの確認が必要となります。
Google workspace管理コンソールでの検索
Google workspaceの管理コンソールにおける、左側メニューで、レポート→監査→ドライブから検索画面へアクセスすることが出来ます。
検索画面において、フィルタを追加し、共有ドライブから先程、取得した共有ドライブIDを記載することでファイル削除の履歴を追うことが出来ます。
山口建設における運用方法
山口建設では、今後、社内の誰かが困らないように運用も整理しています。
共有ドライブ単位での検索方法をご紹介しましたが、実際には共有ドライブ単位でデータ格納とするのは少し粒度が多いと判断し、ファイルの命名規則に接頭語を用いることで検索を実施しています。
- 管理簿への記載
- 接頭語と、必要な事項(日付・金額・取引先)を含めたファイル名の確定
- スキャン
- ファイル名の変更
これらを経ることで、共有ドライブ単位ではなく、接頭語での履歴確認も可能となっています。
ちなみに、弊社ではCanonのDR-p215IIを利用してスキャンを実施しています。
これで共有ドライブ単位でなくとも、履歴の確認が可能となります。
Google workspaceを利用して電子帳簿保存法に対応した運用フローを確立できました。
倉庫にたまり続ける書類を少しでも減らせれば!ということで紙で受領している帳簿書類もあえてスキャンして電子ファイルで保存することとしました。
倉庫で保管する手間と、電子化保存するフローは、稼働としては正直トントンかなーと思うところはありますが、物理的なスペースが今後圧迫されないので良しとしたいと思います。