満足への果てしない旅
2020/10/20
仕事リフォームにおいて、防音・遮音に向けて何をどこまでできるのか?!一般的な防音フローリング以外をいくつかご紹介します。
周囲からの音をできるだけ小さくしたい、それは当然のことだと思います。
建築においては、床、壁、天井に様々な部材を用いて、または建具などを用いて、音の発生する要素である振動をできるだけ防いで音が伝播してこないようにすることが可能です。
マンションの床などで利用する防音フローリングなどは一般的なので、今回は防音フローリング以外でいくつか商品をご紹介したいと思います。
床に遮音マットを設置して遮音する
床の仕上材の直下に、遮音マットを設けることが階上から階下への音を軽減することができます。
これは、ダイケンの遮音マットを用いていますが、「遮音」という文字があると全ての音を遮る!というイメージがあるかもですが、音は振動なので、完全にそれを止めることは非常に難しいです…。
ただの黒いパネルに見えますが、なかなかに重く、その重さで音の振動を少しでも遮音しています。
敷き詰めてジョイント部をすべて接着していくという、施工もしっかりと行う必要があります。
壁に断熱材を設置して吸音する
これは、防音や遮音のために行う!というよりかは、住環境のためにそもそも実施するが、さらには音も軽減されるという意味合いが強いかと思います。
写真では旭ファイバーグラスのグラスウールのAclear(アクリア)という断熱材を設置しています。
旭ファイバーグラスが自社の断熱材の防音効果をまとめてくれています。
高音であればあまり効果はないですが、低音になると2割程度も音が軽減される効果があるようです。
断熱材の密度が高ければ高いほど、もちろん断熱効果が高いですが、防音効果も向上しています。
ただし、発泡吹付けの断熱材よりも、グラスウールの方が防音効果は高いという意外な結果も掲載されています。
天井裏に設置して遮音する
階上の音を、階下に伝われないようにするためには、階上の床に対処するしかなく、マンションなどでは自分の家ではないし、対応の仕様がない…と思う方もいるかもですが、じつは階下の天井裏にも設置ができるような部材があります。
フクビ社のサイレントドロップという防音材となります。
メーカーとしては、マンションにおけるリフォームで、階上からの音を、階下で聞こえづらくするには、階下側の施工可能範囲で施工する必要があるための、天井裏に設置する防音材となります。
マンションではなく、木造の戸建てでこれを設置したことがあったのですが、確かに設置したことで効果があると感じられる商品でした。
専用の防音ドアを設置する
現在の建具(ドア)は、フラッシュドアと言われる、中身が空洞の製品がほとんどです。
空洞になっていると音を伝播してしまうので、できるだけ音を伝播しないような専用のドアも発売されています。
ダイケンでは、音配慮ドアとして、お手洗いなどの音を考慮した製品を発売しています。
一般的には引き戸は壁との隙間ができやすかったりするのですが、引き戸であっても音が軽減されるというスグレモノ。
山口建設の事務所では、トイレに音配慮ドアの片開きタイプを設置しています。
確かに気持ち軽減されたかな…と実感できます。
現在の窓にさらに内窓を設置する
外部からの音については、やはり大きな音の入口になってしまっているのが窓です。
壁などはその厚みや、中に断熱材などがあるので音を防音・遮音できるのですが、窓はガラスだけです。
そこで有効なのが、インナーサッシとも言える内窓です。
しかも窓は音だけでもなく、冬は温めた熱が逃げて、夏は暑い熱が入ってくる、非常にネックとなる箇所だったりもするので、防音だけではなく、断熱にも非常に高い効果を発揮するのが一石二鳥です!
YKKAPさんのプラマードUなど、いろいろなメーカーが内窓は発売しています。
こちらは、メインが断熱!そしておまけで外からの音も小さくなった…という流れでご採用かと思います。
大掛かりな防音室を設置する
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ヤマハの防音室を設置しました。
入り口からしてドアも重厚で、潜水艦のドアのように気密がしっかりと守られます。
数年に1件程度、防音室の設置をお手伝いさせていただくのですが、ヤマハ以外にも、何気にダイケンも防音室を販売していたりします。
ここまでくれば防音は完璧ですが、ピアノや楽器をバリバリ演奏する方にはおすすめです。
外からの音を、完全にゼロにするのは非常に難しいですが、様々な工夫で音を軽減することは十分に可能です。
リフォームをお考えの際に、周囲からの音や、自身の音が外部に行く場合をお考えの方は、是非ともご紹介したような商品をご検討いただければいかがでしょうか?