リフォーム通信
2022/12/17
リフォームお役立ち情報【リフォームで国から最大60万】こどもみらい支援事業の補助金制度が急遽終了。これから始まる『こどもエコすまい支援事業』についてご説明します!
動画
「こどもみらい支援事業」というリフォームで使用できる国の補助金が予算上限に達し、予定よりも早い2022年11月28日を持って申請受付が終了しました。利用をご検討されていて間に合わなかった方も多くいるかと思います。
しかし、また新しい補助金がスタートします。それが『こどもエコすまい支援事業』です。補助金に関する申請内容の違いや、新たな『こどもエコすまい支援事業』に関して、対象の契約や着工期間についても詳しくご説明いたします。
リフォームで使える補助金をうまく活用しながら、より高性能なお住まいを完成させましょう。
目次
動画 内容説明
今回は、国からもらえるリフォームの補助金についてご説明いたします。
必要要件を満たせば、国からリフォームに関するお金を出してくれる制度があります。最近では、こどもみらい住宅支援事業という補助金制度があり、今年の4月から始まって、徐々に申請者が増えていった状態でしたが、この補助金制度が予定していた上限金額を達してしまったため、先日突然終わってしまいました。
では、今現在リフォームをご検討中の方が、国から補助金をもらってリフォームすることができないのか?ということについて、お話できればと思います。
着工日等によっては対象外となる場合があるので、その点についても後ほど説明いたしますが、本日のテーマは「まだ間に合う?リフォームで国から補助金をもらおう!」です。
さて、先日まで行われていた国の補助金制度が「こどもみらい住宅支援事業」です。
この事業に関する説明をそのまま読ませていただくと、「子育て支援及び、2050年カーボンニュートラルなどの実現の観点から子育て世帯や若者夫婦世帯による高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や住宅の省エネ改修等に対して補助することにより、子育て世代や若者世帯の住宅取得に伴う負担軽減を図るとともに省エネ性能を有する住宅特区の形成を図る事業」と謳われています。
非常に難しく、分かりづらい話ではありますが、端的に言うと、リフォームをする時や新築の注文住宅や建売を買ったりすると、補助金がもらえるという仕組みです。
若者世代・子育て世帯という表現もありますが、必ずしも子供がいなきゃいけない、必ずしも若者じゃないといけないというわけではありません。ただ該当する場合は加点が付くというようにお考えください。
実際にどれくらいのものかというと、例えばリフォームの場合、断熱性の高い建材や複層窓、国が定めたトイレや浴槽などの住宅設備機器、節電とか節水のものなどが加点式になっていて、下限として5万円分から、上限として60万円分の補助金がもらえる制度でした。
参考までに、新築の場合は、条件により変わってきますが、60万から100万の補助金が出る仕組みでした。
当初の予定としては、2023年3月末までの契約であれば対象と謳われており、予算については1,142億円です。
月で換算すると100億円ぐらいは補助できるという制度で、この予算を超過したら終了となっており、2023年の2月~3月ぐらいに終わるかなという見込みでした。
一般的にこのような事業予算は余ることが多いかなと思います。しかし、今回は国の施策や、国民の皆さまの需要喚起がうまくいったのか、予定よりも早く予算上限に達しました。
表を見てみると、2022年の6月に全体で約200億円、予算が1,142億円なのでまだ余裕かなという所で、7月に入ると300億円消化となります。続けて8月は410億で前月比で110億円ぐらいプラスになっています。9月になって130億円プラスで合計値が550億円ぐらいでした。
さらに10月になると、なんと700億円を超え、前月比で160億円プラスと非常に増えました。様々なリフォーム会社で予算が危ないのではと危惧し始めた頃かと思いますが、私自身、年内はいけるのではないかなと思っていました。
ところが今年2022年11月28日、予算超過になったので申請を締め切るというアナウンスがホームページで表示され、こどもみらい住宅支援事業の申請は2022年11月28で打ち切られてしまいました。なんと予定よりも3~4ヶ月も早く終了となりました。前月比で見てみると100億・110億・130億・160億プラスという伸び幅でしたが、11月になってプラス400億になりました。
1,142億円の予算のうち、たった1ヶ月間で400億も伸びるということは、非常に多くの皆さまが、リフォームをするなら、新築をするなら、この補助金を利用し、より良いリフォームをしよう、より高性能な住宅を手に入れようと思われたのかなと思います。
ただ予算が足りず、残念な思いをされた方も多いのは私共としても非常に心苦しく思います。
さて、ここで話が逸れますが、こどもみらい住宅支援事業の申請金額において、リフォーム・新築それぞれの割合が10月時点までのデータが公表されています。
新築は3つの区分に分かれて、新築の1つ目の区分が「ZEH(ゼッチ)住宅」と呼ばれる、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略語で1年間で消費するエネルギーの量を実質的にゼロ以下にする家です。2つ目の区分が高い省エネ性能等を有する住宅、3つ目の区分が一定の省エネ性能を有する住宅です。リフォームと合わせて、4つの区分が対象となります。
では、申請金額がそれぞれどれくらいだったのか、グラフにまとめてみました。
リフォームが全体の約15%、ZEH(ゼッチ)が約36%、高い省エネが約23%、一定の省エネが約26%という結果です。全体額の割合で新築と比較すると、リフォームでは利用が少ないのかなと思いました。ただあくまでこれは申請額です。
では申請戸数でどういう違いがあるのかを見てみると、グラフで黄色の方がリフォーム、向かって右側のグラフが申請戸数の推移を表していますが、見て分かるようにリフォームの戸数はうなぎのぼりの状態です。全体の6割がリフォームとなっています。
先述したようにリフォームの場合は申請の金額が5万から60万、新築の場合は60万から100万となっており、一見するとリフォームの申請費用が低いので、リフォームでの活用は少ないのかなと思いますが、実際に申請戸数を見るとこれだけの差があります。
日本国民の皆さまが家を買おうとしている場合に、新築以外のきっかけも出てきたのが背景にあるのかなと思っています。ZEHが13%、高い省エネが11%、新築の一定の省エネが16%、リフォームに関しては60%という割合になっています。※10月までのデータを用いているので最終的な11月の結果を含めると変動するかもしれません。
さて、日本の住宅産業において、一昔前は新築が大きく謳われており、新築マンションや戸建て住宅など含めて、毎年100万戸ぐらい作られてきました。
今日本の人口が1億3000万人ぐらいなので、日本人口の10%ぐらいが収まるような家が作られていました。しかし、社会情勢の変化なのか、徐々に新築に陰りが見えてきてます。毎年100万戸ぐらいが景気のバロメーターと言われたりもしますが、現状毎年80~90万戸ぐらいで推移しています。
そういった背景もあり、またリフォーム・リノベーションの申請戸数からも分かるように、リフォーム件数が増えています。
こどもみらい住宅支援事業は11月末で予算満了で、1,142億円という非常に大きな額の予算が積まれており、来年3月までの契約を予定しながら、今年11月末の申請で終わりました。
これでもう終わりなのかというと、次の補助金制度が閣議決定されており、それが『こどもエコすまい支援事業』という新しい事業となります。
リフォームにおいては5万から60万の補助金が出るという制度で、この点に関してはこどもみらい支援事業と同じ内容となっています。使う部材によって補助金額が異なりますが、断熱材や複層窓、良いトイレ、良い水栓、良いお風呂などを採用し、高性能なリフォームをする時に補助されるという内容は変わりません。
現在、リフォームをご検討中で、こどもみらい住宅支援事業の補助金をもらえるのでは?と思っていた方は、引き続き対象になります。
また、新築については、注文または建売でこどもみらい住宅支援事業は、60万から100万もらえるという話でしたが、ここだけ変更になり、『こどもエコすまい支援事業』になると補助金額が100万のみで、ZEH(ゼッチ)住宅という一番レベルの高い住宅だけが対象となります。
また対象の契約期間において、こどもみらい住宅支援事業は年度内の契約でした。2021年の11月に閣議決定がされて、2022年の3月までを予定していたので、約1年4ヶ月ぐらいの期間が予定されていましたが、こどもエコすまい支援事業の場合は少し短くなります。
閣議決定が2022年の11月にされて、契約日の終了が2023年12月末までという制度に決まりました。
こどもみらい住宅支援事業が突然終わり、「こどもみらい住宅支援事業難民」なんて呼ばれ、申請を予定していたのに間に合わなかった方が非常に多かったので、国もこの状況を鑑みて、契約日に関していつ以降という決まりがありませんが、終わりは来年2023年12月までとなっています。
年度末の駆け込み需要を考えると、早めに対応することが必要です。こどもみらい住宅支援事業が4ヶ月も早く予算が終わってしまったので、早めに契約を打ち切ってその需要喚起しようという国交省の考えもあるのかなと思います。
最後は予算額です。こどもみらい住宅支援事業は1,142億円でしたが、こどもエコすまい支援事業では1,500億円と増えています。
先述した通り、こどもみらいでは、リフォームと新築(ZEH・高い性能・一定の性能)と4つの区分がありましたが、こどもエコすまい支援事業の新築においてはZEHだけになります。
そうすると、新築において高い省エネ基準や、一定の省エネとか基準での補助金がなくなった分の予算が、ZEHもしくはリフォームで使われることになります。
背景としては、国はどんどん既存住宅の流通を強くしたいというのがあり、ZEHで性能のいい新築を作り、その新築が古くなって中古住宅として売買される時に、ZEHの家だから素晴らしい、この建物には価値があると謳えることで、市場にどんどん流通しやすくなります。今回、高い省エネと一定の省エネを足切りしたことで、ZEH及びリフォームが伸びるかと思います。
もう一度まとめますと、こどもみらい住宅支援事業に関して先ほども話したように閣議決定されてから、2022年3月31日までという期間でした。対して、こどもエコすまい支援事業は2022年12月中旬ぐらいの報道発表により、契約の始めの期間についての決まりは撤廃されました。
ただし、2023年12月31日までの契約となります。また、着工期間に関して、変更前は事業者登録してから着工してくださいという話でしたが、撤廃された結果、2022年11月8日の閣議決定以降の着工という決まりに変更となりました。
こどもみらい住宅支援事業を考えていたけど、予算満了で対象外になった方も救われるのかなと思います。
窓とか断熱材などのメーカー納品日に関して、出荷証明書が必要なパターンがほとんどなので、2022年11月8日以降に着工していただければ、こどもエコ住まい支援事業は対象となります。
補助金額は、リフォームであれば5万から60万、新築であれば100万円(ZEH住宅だけが対象)となります。
こどもエコ住まい支援事業を頭の片隅に入れていただいて、リフォームする方に少しでもプラスになれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!